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| ▼2004年4月25日付け 神奈川県あて 「神奈川県ホームレスの自立の支援等に関する実施計画(仮称)の骨子案への意見」 県が、ホームレス特別措置法に基づき実施計画を策定するのに先立って、計画の骨子案を公表して市民からの意見を募集した機会に、私たちからも意見を提出しました。 |
神奈川県知事 松沢成文 殿
神奈川県福祉部生活援護課 管理・恩給年金班 御中
神奈川県ホームレスの自立の支援等に関する実施計画(仮称)の骨子案への意見
2004年4月25日
平塚パトロール
我々平塚パトロールは、本県平塚市において、野宿者支援・訪問活動(パトロール)を行っている野宿者支援団体である。
我々の基本的な見解は、2003年10月14日付「ホームレス特別措置法に基づく本県実施計画策定と平塚市における自立支援の実施に向けての申入れ」においてすでに御庁に提出したとおりである。
今般、神奈川県ホームレスの自立の支援等に関する実施計画(仮称)の骨子案(以下単に「骨子案」という。)が発表された。骨子案は、各項目にわたって抽象的・概略的記載に終始しており具体的計画が明らかではなく遺憾であるが、この際、我々からも改めて以下の通り意見を提出する。
U1(ホームレスの自立に向けた支援)について
本項目に定められた行政庁が行うべき各種の自立支援施策については、野宿者の利益を保護するため、施策を受ける野宿者が不服を申し立てることができる制度を設けることを明記するよう求める。
とりわけ、自立支援センターの入所の可否は当該野宿者の生活の帰趨を大きく左右する重要な事項であるから、不当に入所を拒否された場合の救済制度がぜひ必要である。
U1(1) (ホームレス自立支援センターの設置の支援)について
ア 自立支援センターの設置を促進するとされていることは一応の評価に値する。
イ しかしながら、自立支援センターの概要については骨子案では明らかでない。以下の事項を明記するよう求める。
(ア)自立支援センターについては、数人から2,30人程度の小規模とすべきであり、各福祉事務所につき1ヵ所程度設置すべきであること。
(イ)施設の形態は、民間アパート・民間住宅の借り上げや、空き校舎の改修等での対処も可能であること。
(ウ)入所期間は最低6ヶ月程度を保障すること。また、各センターには緊急入所枠を確保すること。
ウ 野宿者が、生活保護法による生活保護受給申請の意思表示をしておりかつ生活保護の受給の要件を満たす場合、または保護実施機関が職権保護を開始すべき場合について、保護実施機関は、生活保護法による各種扶助の給付に代えて、自立支援センターの入所で対応してはならないことを明記するよう求める。
U1(3) (就業の機会の確保)について
ア 廃品回収業その他の都市雑業に就くことで、自力で日々の生活を維持している野宿者は少なくない。国の基本方針第3-2(1)カにおいても、「都市雑業的な職種の開拓」等が掲げられている。しかるに、骨子案には、都市雑業の関係について言及がない。
廃品回収等の都市雑業も、野宿者にとっては重要な収入源であり、自立につながる就労形態の1つとして位置付けられることを明記するよう求める。
イ 県下各自治体では近時、ゴミ集積場等からの廃品抜き取りを禁止する条例を制定する動きが広がっている。本来、業者等の組織的な行為を禁止するためのこれら条例は、結果的に都市雑業で生活する野宿者を圧迫しており、死活問題となっている。
野宿者の都市雑業については、これを自立支援策の一環として、同種条例の適用除外とすべき旨を明記するよう求める。
U1(4) (安定した居住の場所の確保)について
ア 骨子案にいう「情報提供」程度では、野宿解消の方策としては不足であることは明らかである。
イ 居宅生活を始めようとする際、保証人が得られないことが大きな障害となることは、以前から指摘している通りである。しかるに、骨子案には保証人問題への言及がない。
以下の事項を明記するよう、再度求める。
(ア)公営住宅への入居に際しては、原則として保証人を免除すべきこと。
(イ)民間賃貸住宅への入居に際しては、公的に保証を付す施策を講じるべきであること。
ウ なお、上記イの施策は、2.ホームレスとなるおそれのある方への支援 に定める、ホームレスとなることを未然に防ぐための方策としても有効である。当該施策の対象は野宿者のみならず広く住宅困窮者を想定すべきであることを付言する。
エ 骨子案にいう「公営住宅の活用」とは具体的には何を指すか明らかでない。
公営住宅法(昭和26年法律第193号)22条1項本文に定める特定の者を入居させる措置を積極的に行うべきこと、などと具体的に明記するよう求める。
市町村の担当者は、「公営住宅は入居希望者が常に順番待ちをしているので、野宿者の入居は直ちに認められない」といった消極的態度に終始しているのが実情であり、このような現状を打開する施策が必要である。
U1(5) (保健及び医療の確保)について
ア 結核検診以外の科目の検診も推進すべきこと、特に血液検査、感染症(肝炎等)の検査、歯科の検診等について積極的に推進すべきことを明記するよう求める。
イ 骨子案は、「衛生状況の改善」のための具体的施策に触れるところがない。野宿者の衛生状況の改善のためには、入浴・散髪が可能な環境の整備、下着等の衣料品や石鹸・歯ブラシ等の物品の支給が必要かつ有用である。これら施策を推進すべきことを明記するよう求める。
ホームレス特別措置法(平成14年法律第105号)3条1項3号(「必要な物品の支給」等)を参照されたい。
ウ 平塚市では、医療を必要とする野宿者について、我々平塚パトロールのメンバーや、民間の医療機関の職員が、私的負担で医療機関まで搬送する実例がままある。医療機関への搬送は、野宿者の受診を確保するのに不可欠な自立支援策であり、公的な補助がおこなわれるべきことを明記するよう求める。
V3 (民間団体との連携)について
ア 各市町村は積極的に実施計画を策定するべきことを明記するよう求める。
イ 各市町村が実施計画を策定するにあたり、とくに我々平塚パトロールのような民間の野宿者支援団体の意見を聴取し、尊重するべきことを明記するよう求める。
以上
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